5/07/2008

一番好きな魚は?と聞かれたら・・・

今こうしている間にも、キングサーモンは刻一刻とアンカー・リバーやニニルチック・リバーへの遡上を開始しようとしているのだ。5月末にはあの大きな魚たちと出会うことができる。そう思うと、仕事の疲れやイライラも、一瞬だけれど忘れることができる。

でも、一番私が楽しみにしているのは、ドリーバーデンとの再会だ。海から上がったばかりのドリーは、本当に強烈なファイトをする。しかもサーモンに比べてフライへの反応が抜群に良いのだ。斜め下流にキャストしたラインを、アタリを待ちながら目で追っていくのはなんともいえない楽しさがある。アタリはラインにも出るし、また手元にも「ズシンっ」とはっきり伝わる。あのアタリがたまらなく好きだ。

ドリーバーデンが川に帰ってくるのは7月だ。雪解けとともに、越冬した湖や川から海に降りたドリーたちは、今頃沿岸を回遊しながら小魚を食べ、みるみる大きくなっていることだろう。ホーマー・スピットの先端部では、この時期にグリーンのフライで回遊中のドリーを釣ることができる。彼らの胃袋はきっとキャンドルフィッシュや小エビでいっぱいになっているはずだ。

海から帰ってきたばかりのドリーは、なぜか白~うすピンクのフライによく反応する。ウーリー・バガー(白)やバトルクリーク・スペシャルは、この時期欠かせないフライだ。しかし、ウーリー・バガー系のフライで2-3匹のドリーを相手にすると、かなりぼろぼろになり、最終的には軸のシェニールだけになる。しかもこの状態でも良く釣れるのだ。

そこで考案したのが写真にある「Chenille Bullet #6」だ。最初は軸にシェニールを巻くだけでもいいかと思ったが、それではあまりに殺風景なフライになるので、ライトピンクのエッグヤーンをウィングに取り付けている。

シーズンに入るとまずフライをゆっくり巻いている時間はない。だから今のうちにできるだけ沢山巻いておこうと思い、毎晩バイスに向かっている。シーズン中は実にさまざまなアイデアが与えられ、新しいパターンを巻いてどんどん試したいのだが、なかなかそうもいかない。フライだけでなく、ルアーも試したいし、また日本式の渓流竿でえさ釣りをしたり、またテンカラも試したい。これから何年もかけて一つ一つ楽しみながら新しいつり方を開拓していこうと思う。